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未来の情報工学とひとまだテスト段階のドラフト原稿です。情報工学(information engineering)は計算機とその応用について考える学問です。一方、計算機科学(computer science)とは、情報と計算の理論的基礎、及びその計算機上への実装と応用に関する研究分野です。どちらも「情報」ないしは「計算機」という「コンピュータ」を扱う技術であることにかわりはない訳ですが、前者はどちらかというと社会への応用、後者はコンピュータで実現するための基礎に主眼を置いたものとなります。 しかしながら、この科学・工学の分野の進展に関わっているのはまぎれもなくひとであり、この分野の恩恵に与(あずか)り、利用するのもまぎれもなくひとです。さらに、この分野の急速な発展は、人類の様々な問題を新たに生み出したり、思想や生活の形態すら劇的に変化させてしまう可能性もあります。どのような未来の社会を夢見てどのようなアプローチでそれを実現しようとするのかによって、私たち情報工学に関わる人たちが結局未来社会を良くも悪くも作っていくものなのです。 このような夢もあり危険性も孕(はら)んでいる情報工学の分野で成果を作り出すためにも、当研究室では、「ひと」をよく知ることを第一義的な目標としています。情報工学の使い手はそのひとに他ならない訳ですから、作る側の設計も使う側の要求も「ひと」ならではのものなのです。 ヒトは生物の一つであり、エネルギー代謝の仕組みをもっています。そこから本能的な欲が生まれてきます。 ヒトは神経網から構成されています。従って、様々な刺激受容能力や環境感知能力をもっているわけです。これも欲を生み出すこともあれば、危険予測や好奇心などを生み出します。 ヒトは脊椎動物です。従って、骨格をもっており、その運動による身体性を生み出すのです。 人は群行動する生物です。周囲の仲間と何らかの信号の伝達を行ったり、自他の利害関係を計算して行動したり、特定の集団に属することを望んでその集団のための行動をすることができるのです。 これらはどれもすべていわゆる「生物学」の学問領域として認識されてきた分野ですが、情報工学はこれらの知見をもとに「ひと」のための新たなソフトウェアを作っていかなければなりません。「ヒト」と表記した場合には、生命現象の担い手である生物科学的な観点を表します。「人」と表記した場合には、社会の中での行動科学的な観点を表します。「ひと」と表記した場合には「内面的な思想」をもつ哲学的活動の担い手を意味します。そして、どの表記がもっとも適切か分からなくなった場合には、生命と思想の持ち主の哲学的活動をもっとも尊重して「ひと」と表記したいと思います。 これからの(未来型)ソフトウェアの基礎となる以下のような研究領域(決して新しくないけれども)を中心に、「ひと」のためのコンピューティング環境を設計・開発しています。 |
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